皇妃・王族・子供たち

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皇帝カール5世を育てた叔母|マルガレーテ (マルグリッド) の静かな覇道

父マクシミリアン1世の娘として生まれ、甥カール5世を育てたマルガレーテ。静かに帝国を動かした、その理性と覇道の生涯。
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愛と帝国を遺して逝った王妃|マリア・ブルゴーニュの哀しき輿入れ

……そして、もうひとつ、語られることの少ない物語がある。そしてこの婚姻が生んだ血統は、やがて“もうひとつの遺産”をもたらす。後世、「ハプスブルク顎」と呼ばれる下顎前突の特徴──その兆候は、実はこの頃からすでに現れていた。
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嫉妬に囚われたカスティーリャ王女|狂女フアナの哀しき愛と幽閉

─王冠を戴きながら、牢に繋がれた女王がいた。その名は、フアナ・デ・カスティーリャ。 (夫フィリップの死去)この悲痛な姿を...
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【近親婚が生んだ王太子】フェリペ・プロスペロとハプスブルク家の運命

かすかな呼吸が聞こえる。赤子は、まるで壊れ物のように白い絹に包まれ、母の胸に抱かれていた。フェリペ・プロスペロ──スペイ...
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ドン・カルロスの精神疾患と監禁 | 真相と“偉大なる狂気”

狂気と王冠は、しばしば同じ部屋に住まう。だが、その部屋に鍵をかけたのは誰か。ドン・カルロス――スペイン王フェリペ2世の嫡子にして、「王にはなれなかった王子」の名は、今もなお人々の記憶に深く刻まれている。
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【ハプスブルクの血に縛られた少女マルガリータ・テレサ】とラスメニーナス

この絵は、単なる王家の肖像ではなかった。 構図、視線、鏡──そのすべてが意味を持ち、見る者に「予告された未来」を語りかけてくる。この記事では、『ラス・メニーナス』に込められた王位継承の象徴と、マルガリータ・テレサという少女が背負わされた宿命を、歴史的背景とともに読み解いていく。
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【マリー・アントワネットと子供たち】王妃と子女が迎えた悲惨な最後

フランス革命の嵐がヴェルサイユを飲み込んだとき、ギロチンにかけられた王妃の名は、マリー・アントワネット。だが、その首を落とした刃の背後に、ヨーロッパのもう一つの巨大な影があったことを忘れてはならない。そう、彼女は「ハプスブルク皇女」であり、あのマリア・テレジアの末娘だったのだ。
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フランツ・フェルディナント|サラエボ事件と「帝国の終焉」への序章

車中にいたのは、ハプスブルク帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント大公と、その愛妻ゾフィー。1914年6月28日、それは彼らの結婚記念日であり、初めての「国内訪問」の日だった。だがその幸福なひとときは、突如として破られた。銃声二発。未来を託された大公夫妻は、血の中に沈んだ。サラエボ事件、この一発の銃弾が、帝国の瓦解を招いたのである。
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皇妃エリザベート | 美と自由に溺れた人生の代償

その美しさは、祝福だったのか、それとも呪いだったのか。エリザベート――愛称シシィ。バイエルンの自由な空気の中で育った一人...
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マリア・テレジア| 女帝の闘いと帝国の再建

それは、王冠を奪いに来た者たちの咆哮に、若き母が震えることなく立ち向かった瞬間だった。夫も軍も、まだ頼りにはならない。あるのは「ハプスブルクの娘」であるという、誇りだけ―。マリア・テレジア、二十三歳。帝国は崩壊寸前、だがこの女は、戦う覚悟を決めていた。