レルマ公 (フェリペ3世の宰相)

レルマ公騎馬像 関連人物(政的・家臣・その他)
レルマ公騎馬像 (出典:Wikimedia Commons Public Domain)

スペイン黄金時代の終焉期を彩ったレルマ公は、王フェリペ3世に全幅の信頼を得て“初代首相”のごとき権勢を振るった。しかしその政治は腐敗と堕落に満ち、帝国の衰退を加速させた。栄華と没落を体現した“影の王”の生涯に迫る。

基本情報

称号 レルマ公爵、デ・サンドヴァル侯爵
本名
フランシスコ・ゴメス・デ・サンドヴァル・イ・ロハス
出生 1553年(カスティーリャ王国)
死去 1625年(メディナ・デ・リオセコ)
享年 72
職位 王太子付侍従、国務宰相(実質的)
主な系譜
サンドヴァル家(古くからのカスティーリャ貴族)

人物の背景

レルマ公は、カスティーリャの名門貴族サンドヴァル家出身で、若き王太子フェリペ(後のフェリペ3世)に仕えて頭角を現した。王の即位とともに絶大な信頼を得て、王に代わって帝国の全政策を掌握した。

しかしその治世は、恩顧政治と賄賂、国庫を衰退させる浪費に染まり、歴史家から“無能な独裁者”と見なされることも多い。

治世で起きた主要な出来事(※実質的宰相時代)

  • 宮廷のバリャドリッド遷都(1601年)
    王都をマドリードからバリャドリッドへ移転。これは自らの領地価値上昇を狙った策とされ、後に大きな批判を受けた。

  • モリスコ追放令(1609–1614年)
    レルマ公は“熱烈なカトリック信仰者”としてイスラム教徒に改宗したモリスコたちを帝国から追放。しかしこれは農業経済に大打撃を与えた。

  • 政治腐敗と失脚(1618年)
    王子(後のフェリペ4世)やガスパル・デ・グスマン(オリバレス公)らの圧力により失脚。隠退後は枢機卿となるも、政治の表舞台からは姿を消した。

レルマ公の治世は、“宰相の権力”が帝国を導いた稀有な例であり、その隆盛と転落は、スペイン・ハプスブルクの光と影を象徴している。

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