皇帝一覧

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フランツ1世|影に徹した皇帝、女帝を支えた愛と忍耐

「あの人は、いつも私の影にいて、私を見ていた」マリア・テレジアの涙ながらの言葉がすべてを物語っていた。王冠を戴いた男が、...
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カール6世|マリア・テレジアにすべてを託した父帝

「娘に継がせたい王冠があった。ゆえに、私は全てを賭けた」男子の後継者なき状況で、ハプスブルク家の領土を娘マリア・テレジア...
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アルブレヒト1世|強き王の野望と、甥に討たれた悲劇の末路

「力が正義だと信じた。その力で、帝国は変えられると。」ドイツ王アルブレヒト1世。父ルドルフ1世譲りの老練な現実主義者にして、王権の強化に執念を燃やした男。 しかし、帝国の未来を担うはずのその剛腕は、最後には家族の刃に倒れた。
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ルドルフ1世|弱小伯爵からドイツ王へ、帝国再建に選ばれた男

「選ばれし王などいない。選ばれねば、自らの力でなるまでだ。」痩せた顔に鷲鼻を備えた長身の男、ルドルフ1世。その質素な身なりの奥には、静かだが揺るぎない信念が秘められていた。神聖ローマ帝国という名ばかりの帝国に、新たな風を吹き込んだのは、諸侯すら期待していなかった“貧乏伯爵”だったのである。
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血と冠の分かれ道|レオポルト1世とハプスブルク分岐の決断

死のにおいが街を包む。ペストで黒く染まったウィーンに、さらに迫るのはオスマンの大軍。そのとき、皇帝は城にあらず、遠く離れ...
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フェルディナント3世 | 三十年戦争と帝国再建を担った皇帝の実像

運命とは、時に残酷なものである。フェルディナント3世は、祝福されることなく帝国の王座に座らされた。父フェルディナント2世...
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フェルディナント2世とは? 三十年戦争の開戦と皇帝の決断

沈黙することは、敗北を意味した。剛毅 (ごうき) なる皇帝、フェルディナント2世は、それを知っていた。 (フェルディナン...
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マティアス | 兄ルドルフ2世を打倒した皇帝の”悲しき勝利”

慎重な計算のもとに進められた交渉、綿密に築かれた同盟、そして誰よりも冷静に見極めた勝機—マティアスは、混迷するハプスブルク家において、自らの立場を着実に固めていった。彼が倒したのは、もはや影のように衰えた兄ルドルフ2世。しかし、彼が手にした帝国はすでに深い亀裂が入っていた。カトリックとプロテスタントの対立、ハプスブルク家の分裂、そして三十年戦争の足音—彼の治世は、嵐の前の静けさに過ぎなかったのだ。
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ルドルフ2世 | 幻想に囚われ、宮廷に閉じこもった孤独な皇帝

突き出た顎、重たげな瞼、そして陰鬱な瞳—神聖ローマ皇帝ルドルフ2世。この男ほど、ハプスブルク家の宿命を体現した者がいただ...
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宗教戦争前夜の迷える皇帝、マクシミリアン2世とは

終油の秘跡(カトリックで、死に際して神の赦しを願う儀式)を拒んだ――それはカトリック皇帝としては異例であり、ある意味では...