17世紀

皇帝の物語

カルロス2世の死は偶然か必然か?スペインハプスブルク家の断絶の理由

カルロス2世は下顎突出や発話困難など深刻な身体異常を抱え、スペイン・ハプスブルク家を断絶へ導いた最後の王である。本稿では近親婚の遺伝的影響、外見と病状の一次記録、政争による帝国崩壊の過程を通史的に検証する。
皇帝の物語

なぜ皇帝は戦争を選んだのか?【フェルディナント2世と三十年戦争の始まり】

祈るか、戦うか──フェルディナント2世が選んだのは血の道だった。神に選ばれし皇帝が、なぜヨーロッパを三十年の戦火に巻き込んだのか。信仰と政治が交錯する決断の瞬間を描く。
皇帝の物語

オスマンの大軍、太陽王の野望ー【レオポルト1世は帝国を救えたのか?】

死の臭いが街を包んでいた。1679年、ウィーンはペストに沈黙し、鐘の音すら恐怖を煽る。人々が祈りと絶望の間をさまよう中、...
出来事で読む帝国の運命

【誰がヨーロッパを手にするのか】ルイ14世の野望とハプスブルクの抵抗

17世紀、ヨーロッパを二分した大いなる野望。フランス王ルイ14世とハプスブルク家の衝突は、ただの戦争ではなく、大陸の未来を決める試練だった
戦争・外交・条約

なぜ一人の死が世界を燃やしたのか?【スペイン継承戦争の真相】

1700年、カルロス2世の死をきっかけに始まったスペイン継承戦争。ルイ14世とハプスブルク家の野望がぶつかり、ヨーロッパと新大陸を揺るがした。
戦争・外交・条約

三十年戦争とは?宗教戦争の仮面をかぶった国家間戦争

三十年年戦争とは、1618年から1648年に神聖ローマ帝国内で勃発した戦争である。表向きは宗教対立だが、実際は「ヨーロッパの覇権争い」だった。戦争は拡大を続け、最終的にハプスブルク家の支配と帝国の構造を大きく変えた。
皇帝の物語

【芸術の影で帝国は傾く】フェリペ4世と スペインハプスブルク最後の栄光

フェリペ4世の治世でスペインは三十年戦争とポルトガル独立に揺れ、王の理想はベラスケスの絵画にしか存在しなかった。やがて帝国は断絶へ向かう──。
戦争・外交・条約

ヴェストファーレン条約とは?なぜ帝国は衰え、フランスが覇者となったのか

1648年、ヴェストファーレン条約 (ウエストファリア条約)。この日、ヨーロッパの支配構造が静かに、しかし決定的に書き換えられた。16世紀、婚姻と皇帝位を駆使してヨーロッパを掌握していたハプスブルク家。だが「三十年戦争」を境に、その覇権は揺らぎ始める。戦争の果てに立ち上がったのは、全く異なる性格を持つ新たな主役――フランス王国であった。この記事では、ヨーロッパに君臨したハプスブルク家の衰退と、ルイ13世・ルイ14世が率いたフランスの台頭を、ヴェストファーレン条約前後の出来事を軸に描く。
皇帝の物語

【夭折した改革皇帝ヨーゼフ1世】未完の夢と帝国の空白

ヨーゼフ1世は30 歳で急逝し、軍制改革や対オスマン外交が頓挫した皇帝である。兄弟カール6世への継承、マリア・テレジア誕生への伏線を含め、短い治世がハプスブルク帝国に残した政治的空白を検証する。
皇妃・王族・子供たち

【愛された王妃と短すぎた生涯|ラス・メニーナスの少女マルガリータ・テレサの悲劇】

ベラスケスの名画『ラス・メニーナス』に描かれた王女マルガリータ・テレサは、近親婚を重ねた血統に生まれ、わずか21歳で世を去った。本稿では肖像画の象徴性、婚姻による政治的価値、病弱と早逝の医学的要因を検証し、ハプスブルク家が背負った宿命を照射する。