帝国を生きた女たち

皇妃・王族・子供たち

ハプスブルクの血と落日【マリー・アントワネットの子供たちの最後】

フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットの後、王子ルイ17世と王女たちはどのような運命をたどったのか。本稿では監禁生活、病死、亡命の実態を一次証言で検証し、母を奪われた子供たちの心理と、王政崩壊が家族に及ぼした残酷な影響を描き出す。
皇妃・王族・子供たち

マリア・テレジア| 女帝の闘いと帝国の再建

それは、王冠を奪いに来た者たちの咆哮に、若き母が震えることなく立ち向かった瞬間だった。夫も軍も、まだ頼りにはならない。あるのは「ハプスブルクの娘」であるという、誇りだけ―。マリア・テレジア、二十三歳。帝国は崩壊寸前、だがこの女は、戦う覚悟を決めていた。