近親婚

皇妃・王族・子供たち

【近親婚が生んだ王太子】フェリペ・プロスペロとハプスブルク家の運命

かすかな呼吸が聞こえる。赤子は、まるで壊れ物のように白い絹に包まれ、母の胸に抱かれていた。フェリペ・プロスペロ──スペイ...
皇妃・王族・子供たち

ドン・カルロスの精神疾患と監禁 | 真相と“偉大なる狂気”

狂気と王冠は、しばしば同じ部屋に住まう。だが、その部屋に鍵をかけたのは誰か。ドン・カルロス――スペイン王フェリペ2世の嫡子にして、「王にはなれなかった王子」の名は、今もなお人々の記憶に深く刻まれている。
出来事で読むヨーロッパ史

【ハプスブルク顎 (下顎前突症) とは 】王家の血統を守った代償と悲劇

屋内で育ち、日光を避けた王たちの透き通る肌。そこに浮かぶ青い血管を見て、人々は“神に選ばれし者”の証と崇めた。だが、その血はあまりに「純粋」すぎた。近親婚を重ねた王家の末路──「ハプスブルク顎」とは? 奇形・病気・呪いと語られたその遺伝的背景を解説。
皇妃・王族・子供たち

【ハプスブルクの血に縛られた少女マルガリータ・テレサ】とラスメニーナス

この絵は、単なる王家の肖像ではなかった。 構図、視線、鏡──そのすべてが意味を持ち、見る者に「予告された未来」を語りかけてくる。この記事では、『ラス・メニーナス』に込められた王位継承の象徴と、マルガリータ・テレサという少女が背負わされた宿命を、歴史的背景とともに読み解いていく。
皇帝一覧

カルロス2世- 呪われた王とスペイン・ハプスブルク家の終焉

1661年、マドリードの王宮に産声が上がった。だが、その小さな命に寄せられたのは歓喜ではなく、深い憂慮だった。カルロス2世――生まれながらに「死に瀕していた」と形容される王。ハプスブルク家の「純血主義」によって作られた、奇跡ではなく呪いの結晶だった。
家系図

【家系図で見る】ハプスブルク家の婚姻政策 | 外交が変えた帝国の命運

それは誉れか、それとも皮肉か。ハプスブルク家は、婚姻によって王国を手にし、そして婚姻によって苦悩した。一族の運命は、いつも結婚から始まり、終わった。
皇帝一覧

フェリペ4世 | 芸術に溺れ、戦火に翻弄された王の生涯

スペイン・ハプスブルク家の黄昏を見届けた王、それがフェリペ4世である。彼は祖父フェリペ2世のような鉄の意志も、父フェリペ3世のような静かな諦観も持ち合わせていなかった。彼が見たのは、戦争の泥沼と衰退する帝国、そして芸術という美の世界だった。
皇帝一覧

帝国の沈黙 | カルロス2世と“日の沈まぬ国”の黄昏

まるで人形のように青白く、虚ろな瞳で玉座に座るその姿は、王の威厳とは程遠かった。 (幼少期のカルロス2世)1661年、ス...